褥瘡に対する新しい考え方と治療
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IV. 褥瘡治療の実際

1. 褥瘡治療の進め方 (flow chart)

危険要因をアセスメントして、危険要因が無い者については通常生活、「危険要因あり」については褥瘡ケアの戦略に則って考える。
 「褥瘡ケア戦略」で「褥瘡あり」については、「褥瘡治療戦略」に移る。
 「褥瘡の治療」→「深さのアセスメント」→「褥瘡の治療・評価」の順で実際に評価してみて、(PUHP点数・DESIGN点数が変らずor増加)の場合は左に分岐して、「褥瘡ケア戦略」にまで戻って再評価する。
 PUHP点数やDesign点数が減少してきた時には、現在行われている治療が良い治療と考えてよい。

高齢者・褥瘡患者・褥瘡ケア・治療の進め方 (flow chart)

 



2. 外用剤の種類

表3のような種類がある。
特に注意しないといけないのは、肉芽調整剤のイソジンシュガー、カデックス軟膏である。
これは、抗菌剤であり、ずっと続けて使用していても肉芽は形成されにくい。しかし、これは浮腫性の肉芽や過剰肉芽の調整剤としては非常によい。
また、これらは非常に滲出液の吸収力が強いので上皮形成期に使うべきではない。

表3 外用剤の種類

適用・目的 外用剤名 臨床効果
壊死組織除去 ブロメライン ++
リフラップ +
亜鉛華軟膏(10%) +
肉芽形成促進 フィブラストスプレー
+++
オルセノン ++
アクトシン ++
リフラップ +
プロスタンディン +
肉芽調整作用 ユーパスタ ++
カデックス ++
抗菌剤 ユーパスタ
++
カデックス ++
ゲーベン ++
抗生物質軟膏 使用しない方がよい
色素、ヨード +
フシジン +
表皮形成促進 プロスタンディン
++
アクトシン ++
エキザルベ +
リフラップ +
オルセノン +
フィブラストスプレー +
 


3. 褥瘡の洗浄方法

 

洗浄圧だけに頼る洗浄方法は実際的ではない!!
プラスチック手袋の指腹で愛護的に撫でながら洗浄する。
圧や量にこだわるのではなく排液がきれいになれば
充分と考える方法がよい!!手軽で痛みが少なく経済的である。 

〔注〕熱傷患者に圧をかけた洗浄を行うと激しく痛みを訴える
   それに対しグローブ洗浄法は痛みが少ない。

 

創の洗浄方法の比較

  圧洗浄法 潅流+(グローブ)創清浄法
方 法 水圧を重視 
適正圧 4.3〜15psi
4.3psi(30ml注射器に18G 注射針)
(高圧として25〜70pisがあるが
一般的ではないので除く)
創洗浄
+
グローブ指 腹による
愛護的創清浄
‐圧にはこだわらない‐
効 果 飛び散る、洗浄効果は不十分
圧が強いと組織を損傷
圧が強いと痛がることあり
洗浄効果は十分である
それ程、痛がらない、出血もない
用 具 規格の洗浄用具が必要 特別な洗浄用具は必要なし
プラスチック手袋

褥瘡の洗浄方法

グローブ洗浄法

 

創洗浄液の特徴

  生食 水道水 酸性水
清潔度 完全 ほぼ清潔 完全
痛み刺激 なし しみることがある しみることがある
準 備 容易  容易
(時に湯ざまし水とする)
製造機器が必要
(1週間貯蔵可能)
コスト 安い(国内) かなり安い 製造コストは安い
減菌作用 洗浄による物理的
減菌効果有り
洗浄による物理的
減菌効果有り 
酸性水による減菌・
殺菌効果も有り

 



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